牧神の絵画

牧神の描かれた絵画をひたすら集めています

アタナシウス・キルヒャー Athanasius Kircher

アタナシウス・キルヒャー(1602-1680)はドイツの司祭・学者。当時のエジプト研究や東洋研究に精を出した人で、日本人としてはなにかがいろいろ間違っている阿弥陀如来の図などが笑えます。

しかしそんな短文で表すのは愚の骨頂。

 

Heiroglyphical Representation of Jupiter or Pan (1652-1654)

File:Pan (Kircher).png - Wikimedia Commons

オリジナルではなくManly P. Hallによる"The Secret Teachings of All Ages"(『秘密の博物誌』の題で邦訳あり)からのコピーのようです。なので文章が英語。

改めてじっくり見たらしっかり勃起してますね。すみません。じっくり見ないとわからないからいいか。

ユピテルもしくはパーンの図とのこと。ユピテル(ゼウス)とパーンを同一視するのはオルペウス教やその古註などにあった考え方のようです。こないだ読みました。あとディオドロスも「ゼウス=オシリスディオニュソス=パーン」みたいなこと言ってた気がする。

身体のそこここが自然のパワーのメタファーとなっているようです。せっかくだからAからOまで読んでみましょうか。

 

A(おでこ) 赤い顔、世界の熱の力

B(ツノ) 月と地球の間を満たす天の光線の力

C(ひげ) 男性的な元素

D(牧杖) 年月と変化の循環する力

E(杖のまっすぐな部分?) あらゆるものを維持する男性的な力

F (身に纏っている山猫?の皮) 天空の力、または配置された星々の空間

G(太もも) 大地(女性的な元素)、繁茂する木々や植物

H(おなか) 水と液体の源(女性的な元素)、灌漑で大地を肥やす(ここだけラテン語?)

I(ひざ) 畑、穀物、いろんな野菜

K(葦笛) 7つの天球の音楽

L(かかと?脛?) 肥沃の力

M(蹄) ゴツゴツした山

N(足場) 頑強な基盤

O(翼) 吹き荒ぶ強風の力

 

なんでJが無いんでしょう。ほかにもいろいろわかりませんが、とりあえず。